自動的な形で適切な知識の所在にまでナビゲートしてゆくシステムが開発されつつある
人間の持っている知識は頭脳の中にあり、 種々の知識が何らかの関係性によってつながれていて、 連想的に関係する知識が取りだされている
図書館においてもぼう大な書物の中に存在する知識が関連性をもって書物という単位を超えてつなげられ、 それが取り出されることが大切であろう。
本のある部分に存在する単語や概念を集め、 それらに近い単語や概念が存在する部分を他の本について網羅的に調べる
関連する知識を人間頭脳の中のネットワークのようにつないで、 利用者の要求に応じて提示できるような形の 電子図書館の内容の組織化が望まれているのである。
情報検索というよりは事実検索に近づいてゆく。
その本のどこに書かれているかを探すというのではなく、 自分の欲しい情報そのものが出てくることになる。
ある社会において一定の教育を受けた人達の場合にはほぼ共通した知識の体系、 構造というものがある
電子図書館における図書・資料は部品に解体され、 それぞれが種々の観点からリンク付けされた巨大なネットワーク構造が作られるようにする。 これは1つの社会で共有する中立的な知識構造、 知識システムである。
個人によって違った知識の構造の部分については、 その人の力によって種々の検索方式を試み、 自分の必要とする情報をとり出して中立的な知識の構造に付加してゆくことが出来ねばならないし、 またそれによって自分に合った知識の構造を作りあげてゆくことができるだろう。
個人の電子図書館が出来るし、 その人の頭脳の知識の構造が反映されたものが作られてゆく
現実世界の本や情報の大切さ以上にヴァーチュアルな世界における情報処理と表現力の可能性に、 もっと大きな関心を持つべき時代に来ていると言えるのではないだろうか。
「分かる」ことへの道程
理想の電子図書館では、 知識や情報が与えられるごとに、 それが単なる増加知識として記憶されるのでなく、 他の既存の知識との間での因果関係がチェックされ、 新しい因果関係のリンクが付けられてゆくという形で発展してゆくべきである。
個人の頭脳内容を反映した個人電子図書館が発展してゆくことになれば、 いろいろと楽しく、 心を豊かにしてくれるだろうし、 新しい未知のことに対する挑戦という勇気もわいてくることは間違いないだろう。
未来の自分の頭脳をヴァーチュアル世界に作ることであるともいえる。 魅力的で挑戦的なことではないだろうか。